Ricoh GRⅢxのスナップ設定について考える
GRⅢは1秒未満で撮影状態に入れるレスポンスを備えています。
折角だから、スナップショットが即座に出来るよう、私はFnボタンに”スナップモード”を割り当てています。
スナップモードではAFが効かず、ピント位置を[ 1m、1.5m、2m、2.5m、5m、無限遠]からチョイスする必要があります。
スナップ撮影をするのであれば、パンフォーカスになるような設定がいいのかなと思い、どの設定が私にとってベストバランスか、ちょっと探ってみることにしました。
ちなみに、パンフォーカス(ディープフォーカス)とは、近景から遠景までピントが合った写真のことを言います。一昔前までは、海外のカメラマンは構図配置に重きをおく文化で、ボケ表現は忌み嫌われ、殆どの作品はパンフォーカスで撮影されていたとかいないとか。
パンフォーカス撮影をする際に、ピントの位置は重要で、近すぎても遠すぎても良い結果は生まれません。
過焦点距離といって、そのカメラの設定で無限遠までピントがあう状態の最短ピントに合わせてあげる必要があります。
で、
過焦点距離の計算方法は
過焦点距離 =(焦点距離×焦点距離)/(許容錯乱円)/(F値)で算出できます。
GRⅢxの過焦点距離をもとめるために必要な数値は以下の通り。
【焦点距離】
GRⅢxのレンズは26.1㎜(フルサイズ換算40㎜)
【許容錯乱円】
許容錯乱円とは点光源を撮影した際に、ピントがあっていると見なされる点(円)の大きさのことです。ピントがずれているほど円が大きくなりピンぼけの判断として使われます。
一般的にフィルム時代における許容錯乱円はフィルム粒子のサイズと近かったようで0.026~0.03㎜程度といわれておりましたが、デジタル時代になると高画素化が進んだことで、もっと小さな値だといわれております。
イメージセンサーの画素ピッチサイズとフィルム粒子を同じような扱いにすると、GRⅢの画素ピッチは0.0038㎜となり、めちゃくちゃ小さい(汗)確かに、デジタル時代では写真の鑑賞方法がモニターとかで拡大してみたりすることもあるので、許容錯乱円が小さくなるのは分かる気がします。
というわけで、私の知識では計算しきれないので、GRⅢのセンサーサイズにおける許容錯乱円を他のサイトで調べてきました。
するとその値は0.016~0.02程度のようです。というわけで、計算しやすい0.02㎜を採用いたします。
【F値】
過焦点距離より近いエリアでは結局ボケてしまうので、過焦点距離がより近いほうが使いやすいと考えます。
ですので、上記数値より以下のようなF値ケースバイで過焦点距離を求めてみたいと思います。
F4の場合
(26.1㎜*26.1㎜)/0.02㎜/4 ≒ 8515㎜ ≒ 8.5m
F5.6場合
(26.1㎜*26.1㎜)/0.02㎜/5.6 ≒ 6082㎜ ≒ 6.1m
F8の場合
(26.1㎜*26.1㎜)/0.02㎜/8 ≒ 4257㎜ ≒ 4.2m
F11の場合
(26.1㎜*26.1㎜)/0.02㎜/11 ≒ 3096㎜ ≒ 3.1m
F16の場合
(26.1㎜*26.1㎜)/0.02㎜/11 ≒ 2128㎜ ≒ 2.1m
というわけで、SS1/100、許容ISO上限は6400までのISOオート、F11~16あたりで運用するとして、スナップ距離設定は2.5mを採用してみようと思います。
さて、さっそくGRを立ち上げてスナップ撮影設定を進めてみようと思った時に、衝撃的な事実が・・・!
あれ?このモニター左端に写ってるガイド、F値によって緑のバーが可変します。ということは、この緑のバーを参考にスナップ距離設定をすれば良かったんじゃ・・・。
なんか書きたいことが更に増えそうなので割愛いたしますが、ひとまず気持ちを切り替えます。
まぁ何はともあれ、2.5mというピント位置に落ち着いたので、あとは決定的瞬間を待つだけです。
果たして、スナップフォトで活かせるでしょうか。